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頭部を固定せず脳を撮影…新型の画像診断装置

【医療】頭部を固定せず脳を撮影… 2013/09/11 20:53

【医療】頭部を固定せず脳を撮影…新型の画像診断装置
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1378878990/-100
1 名前:おばさんと呼ばれた日φ ★[sage] 投稿日:2013/09/11(水) 14:56:30.95 ID:???
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、長時間静止しているのが難しいアルツハイマー型認知症の
重症患者に対し、頭部を固定しなくても脳の働きを撮影できる新型の画像診断装置を開発した、と発表した。
発症メカニズムの解明や治療薬開発に役立つと期待される。

装置は直径77センチの円筒形で、患者の頭を覆う。脳内の記憶や学習との関わりが指摘されるたんぱく質にくっつく
薬剤を患者に注射し、装置に内蔵されたセンサーが薬剤から出る放射線をとらえて、患者の脳内の状態を撮影する
仕組みだ。

装置には、患者にかぶせた帽子状の機器が発する光を感知するカメラが付いており、頭の動きによる撮影画像の
ブレを補正する工夫もした。

現行の画像診断装置では、認知症の患者の頭部を固定して1時間以上静止してもらう必要があるが、重症患者は
長時間体を動かさずにいることが難しかった。新装置では、薬剤を投与した患者の脳を90分間撮影する臨床研究を
行ったところ、脳内の各部位に薬剤が広がる様子が確認できた。
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画像ソース
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130911-OYT1T00388.htm

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1.背景
近年、少子高齢化が進む中、認知症、アルツハイマー症候群、躁うつ病小児における多動性障害)等の精神性疾患の増加が社会的に大きな問題となっており、病態の理解や早期診断が急務となっています。これら精神性疾患の診断 法は問診が主流で、研究レベルでは、MRIやPETを用いた診断法の開発が進められています。
認知症のPET研究では、アミロイド※4β蛋白の蓄積を画像化するアミロイドイメージングが主流ですが、認知機能の変化をより反映するイメージング薬剤が望まれていました。中でも、ニコチン受容体※5が新しい診断や治療のための効果指標として期待されています。
脳内に存在し認知症に関わるニコチン受容体には、主にα7とα4β2という2つのサブタイプがあり、記憶や認知機能に関連するといわれています。α7サ ブタイプは記憶や学習に関与しているとされ、臨床利用が可能な受容体結合性の高いイメージング薬剤は未だ開発されていません。注意や感情に関与していると されるα4β2サブタイプについては、種々の化合物を用いる検討が始まっていますが、まだ端緒についたばかりで、本邦での臨床利用報告はありません。
また、現状のPET計測では、比較的長時間にわたって被験者を固定する必要があるため、患者の苦痛が大きく、長時間測定が困難といった問題点がありまし た。特に、中等症以上に病態が進んだ認知症患者は、静止状態を保つことが困難で、アルツハイマー型認知症の確定診断は、死後の剖検脳でアミロイドβ蛋白の 沈着を病理学的に証明しているのが現状です。
J-ADNI※6、※7では、アルツハイマー病をごく初期段階で描出できる画像マーカーの研究が全国規模で実施されています。 特に、近い将来における有効な認知症の根本治療薬の出現への期待が膨らんでいます。これらの問題に合理的に対処するために、新規ニコチン受容体イメージン グ薬剤を用いて、被験者の負担を軽減し比較的自由に動いても検査可能で、かつ高精度に計測できるPET装置の開発が望まれていました。
2.成果概要
本研究開発では、ニコチン受容体のサブタイプの中で記憶や学習などの 認知機能に主に関与するα7及びα4β2ニコチン受容体の新規イメージング薬剤と、被験者を歩行しながらでも非拘束で高精度に計測できる頭部用PET装置 を開発し、臨床での安全性をクリアしました。これらを組み合わせた診断システムにより、後期の認知症患者に対しても、非拘束な状態で詳細でかつ客観的に患 者の病態を把握することが可能となりました。
また、認知症だけでなく、安静が保てない自閉症や多動性疾患などの広範な精神性疾患の患者や、脳梗塞後のリハビリ効果の評価、脳虚血性手術後の頭位挙上 などの体位変換を伴うリスクの評価、めまい発作等の大脳生理学的解明など、これまでの装置ではなしえなかった領域に光を当てる画像システムとして、研究と 臨床の場で活用することが可能となりました。
これにより、抗認知症薬の有効性の客観的な評価が可能となり、未だ開発されていない根本治療薬の開発が進み、適切な治療薬を選択する診断法の開発に貢献 します。また、これまで未知の領域だった精神性疾患の進行状態を画像化することで、疾患の解明が進むことが期待されます。
本研究開発では、新しい光技術を応用した数多くの革新的な技術が適用され、この技術は飛行時間差を利用して鮮明な画想を得るTOF-PET※8装置やMRI(核磁気共鳴画像法)画像とPET画像を同時撮像するMRI-PET※9装置への発展が期待されます。本診断システムの認知症診断技術の実用化については、日本人のアルツハイマー病の進行の客観的な評価法の確立を目指したJ-ADNI臨床研究との連携を図ります。
本開発にあたって、浜松ホトニクスが頭部用PET装置の開発とα7及びα4β2ニコチン受容体イメージング薬剤の高再現性・高収率合成法の研究と前臨床評価を行い、浜松医科大学が同薬剤の臨床応用のための合成法の最適化研究と臨床評価を行いました。
(1)世界初、認知症指標として期待されるα7ニコチン受容体イメージング薬剤を開発
本研究開発では、α7及びα4β2ニコチン受容体に特異的に結合する物質(リガンド※10)を用いたイメージング薬剤の高効率な自動合成法の確立に成功しました。α7イメージング薬剤で臨床利用が可能な受容体結合性の高いものとして世界初となる [11C]Me-QAA※11を開発しました。また、α4β2イメージング薬剤として、[18F]2FA※12及び[11C]5MA※13を国内で初めて臨床利用のための実用化開発をしました。本薬剤の特異性と安定性については、実験動物を用いた前臨床PET評価と、臨床利用によるPET評価を終了し、それぞれ目標の放射化学純度と放射化学収量を達成しました。
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図4:開発したα7ニコチン受容体イメージング薬剤
(2)小型・軽量で被験者を追従する高解像力検出器ヘッドを用いた頭部用PET装置を開発
新しいレーザー加工技術を用いた高精細シンチレータと高安定な光半導体素子MPPC※14を用いて小型・軽量を実現した、高解像力で高感度な頭部用PET検出器ヘッドを開発しました。従来の頭部用PET検出器ヘッドに比べ、約4分の1と小型化(体軸方向の視野が202mm、断層面内の視野が直径330mm)し、質量200kgと約5分の1軽量化しました。
また、レーザー加工で作成した1.2mmピッチのシンチレータにより、高分解能化を図るとともに、4層独立読出しDOI※15検 出器により視野周辺まで解像力劣化の少ない均一な分解能が得られる高性能PET装置です。装置特性としては、従来の頭部用PETと比べて解像力が向上し、 視野中心付近の分解能は2.0mm以下、視野中心から120mm離れた位置において2.5mm以下の空間分解能で、同時計数時間分解能は3.0ns以下と なっています。
小型・軽量な検出器ヘッドが実現したことで、被験者の頭部を固定しないで、頭部の動きを検知し、この情報を元にPET計測で収集したデータを補正する技術と、被験者の視野外移動を避けるために検出器ヘッド部の追従機能を開発しました。
体動補正の仕組は、頭部にLEDマーカーを取り付け、当社が開発した2台の高速インテリジェントビジョンシステム(IVS※16) カメラで計測した3次元体動データから3次元位置情報と回転情報を計算し、PET検出器からの収集データを位置補正して、画像再構成位置補正誤差6mm以 下とぶれの無い良好な画像を得ます。また、被験者頭部が視野から外れたり、被験者が検出器ヘッド部に衝突したりするのを防ぐために、PET検出器ヘッド部 を被験者の動きに合わせて移動する機構を取り付けました。体動追従性能としては、3秒以内に検出器リングを追従移動させ視野内に戻すことが可能です。
被験者を5分間計測したデータを各種補正および体動補正を行った後に、再構成した3次元画像を5分以内で取得するため、臨床での実用上も充分な性能です。
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図5:従来品(左)と開発品の頭部用PET装置比較
3.開発成果による臨床研究
本研究開発において、新規ニコチン受容体イメージング薬剤の臨床評価を行い、新 規頭部用PET装置の性能評価及び臨床応用への適応試験を実施して有用性を検証し、高齢者認知症の早期診断・治療効果判定システムとしての有効性を評価し 「次世代PET診断システム」を確立しました。
α4β2ニコチン受容体イメージング薬剤[18F]2FAに関しては、以下の臨床研究を実施しました。
既存PET装置を利用した研究では、アルツハイマー病におけるアミロイド沈着とミクログリア※18活性の関係を明らかにしました。また、正常加齢におけるアミロイド蓄積が脳機能に悪影響を及ぼすことも明らかにしました。
新規イメージング薬剤である[18F]2FAを用いた臨床研究を行い、アルツハイマー病患者にてその受容体結合能の変化を明らかにしました。その成果は英国誌Brainに掲載されました。
次世代PETシステムを用いて、[18F]2FAを投与したボランティアを非拘束で計測し、従来型PET画像と同等以上の画質が得られました。
先行するJ-ADNI研究で利用される[11C]PIB※19によるアミロイドβ蛋白イメージングデータと、[18F]2FAによるニコチン受容体イメージングデータとの関連、及び、神経心理データ※20との関連を確認しました。
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図6:α4β2ニコチン受容体イメージング薬剤[18F]2FAを用いて、 頭部用PET装置で正常者及び認知症患者を撮影した画像
さらに、本研究開発終了後、α7ニコチン受容体イメージング薬剤[11C]Me-QAAを用いて、非拘束の頭部用PET装置で認知症患者を撮影した画像を取得しました。
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図7:α7ニコチン受容体イメージング薬剤[11C]Me-QAAを用いて、 非拘束の頭部用PET装置で認知症患者を撮影した画像
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