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シンプルに思考し、行動せよ。『Think Simple』の著者が語る、アップルだけがもつ魔法の哲学

シンプルに思考し、行動せよ。『… 2013/05/28 04:20

シンプルに思考し、行動せよ。『Think Simple』の著者が語る、アップルだけがもつ魔法の哲学
http://wired.jp/2012/06/08/think-simple/
「アップルの成功は、“シンプルさ”に起因しています。インテルやデルといったライヴァル社は、このシ ンプルさを決して真似することができません」。広告代理店のクリエイティヴディレクターとして、長年スティーブ・ジョブズとともに働いてきたケン・シーガ ルは、自著『Think Simple アップルを生みだす熱狂的哲学』を通じて、アップルの強さをそう分析する。本の発売に合わせ来日した氏に、アップルが証明してみせた「シンプルであるこ と」の価値、さらにはジョブズ亡き後のアップルの行方について尋ねた。
PHOTOGRAPHS BY CEDRIC DIRADOURIAN
TEXT BY WIRED.jp_C
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ケン・シーガル KEN SEGALL
広告会社「TBWA\シャイアット\デイ」クリエイティヴディレクター。スティーブ・ジョブズとの関係は、NeXT時代を含めて12年間に及んだ。その 間、不朽の名作と謳われるアップルの「Think Different.」キャンペーンを手がけ、さらには「iMac」の名を考案したことで、iPod、iPhone、iPadと続く、その後のアップルの 躍進に少なからぬ影響を与えた男といわれている。アップル以外にもデル、IBM、インテル、BMWなどと仕事をしたことで、各企業の違いを客観的かつ具体 的に比較できるという、貴重なキャリアのもち主でもある。

——ぼくが初めてコンピューターを買ったのは1994年、アップルのPowerBook150でした。そして次に買ったのが Perfoma6200です。PowerBookは初めてのコンピューターだったのでそれだけでうれしかったし、Perfomaは、初めてのカラーディス プレイだったのでとてもワクワクしました。でも正直、「次はアップルじゃなくていいか」とも、思い始めていたんです。だけど97年にスティーブ・ジョブズ が復帰し、あなたが手がけた「Think different.」キャンペーンを見たことで、そんな迷いも吹き飛びました。「アップルでいいんだ」っていう確信をもてたというか。だから今日は、な んとしても最初にお礼を言いたかったんです。あなたのおかげで“背信者”にならずに済みましたから(笑)。

ありがとう(笑)。わたしもあなたも、アップルの厳しい時代をともに堪え忍んだわけですね。その後、いい方向に変化して本当によかったです。

——実際97年にジョブズが復帰したとき、アップルは瀕死の状態だったと言われています。そこから会社を建て直し、最初のキャンペーンとして「Think different.」が出来上がるまでには、どんないきさつがあったのでしょうか。

確かにスティーブはのちのインタヴューで、「当時のアップルの評価は“倒産の90日前”だった」と言っていますね。実際、瀕死というのが控えめな表現に思 えるくらいでした。経営的に厳しいだけではなく、ジャーナリストからは叩かれ、それこそファンからも見捨てられていましたから。そんななかでスティーブが 最初にやったのは、製品ラインナップをシンプルにすることでした。彼が復帰する以前のアップルには、経営陣がすべての人を喜ばせようとした結果、 Quadra、Perfoma、Macintosh LC、PowerBook、Power Macintosh……といった感じで、ユーザーはおろか、従業員すら困惑するほど多くのモデルが出されていましたからね。スティーブはこれを2×2、つ まり「消費者向け」と「プロ向け」の2種類を、それぞれ「ノート」と「デスクトップ」で出すという4つに絞ったんです。

——恐ろしくシンプルにしたわけですね。でも考えてみると、それって現在でも踏襲されている製品カテゴリーですね。

そうなんです。スティーブが示したこのシンプルなロードマップによって、会社は無駄な開発費やPR費がかからなくなり、従業員はやるべきことが定まり、 ユーザーも自分の欲しいものが明確になったんです。やるべきことが定まったのは、わたしたち広告代理店にしても同様でした。アップルが直面していた難問を シンプルに整理したうえで、新しいアップルとしてのメッセージを発信する。それこそが、わたしたちがまずやるべきことだとわかったんです。

——ジョブズがアップルを離れていた11年間で、すっかり「クリエイティヴな集団」というアイデンティティを失ってしまったアップルのイメージを、払拭することから始めるべきだと。

ええ。普通の経営者であれば、会社が経営危機に陥っているときには守りを固め、収益が回復する方法を考えるものですが、スティーブは、投資することを選択 したんです。それも製品ラインアップの再建ではなく、企業イメージを再建するための投資をね。そこで早速プランを練り始めたのですが、「マッキントッシュ のように革新的な製品を作り出してきた精神が、再びアップルのなかで息を吹き返した」ことをアピールするために、世界を変えた「クレイジーな人たち」のイ メージを利用するという「Think different.」のアイデアは、ごく初期の段階から挙がっていましたね。

——著書『Think Simple』では、広告代理店の選定から「Think different.」キャンペーンが出来上がっていくまでのプロセスをうかがいい知ることができますが、ジョブズが下した一連の判断は、実にスピーディかつシンプルですね。

その通りです。それこそが、スティーブがアップルという会社に植えつけた価値であり、インテルやデルには、決して真似できないことなんです。「シンプルを旨とする」というと、一見簡単に思えるかもしれませんが、特に大企業でこれを実現するのは、本当に難しいことなんです。
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 Photo: Flickr / eastpark

アップルを成功に導いた10の法則を、なぜ他社は真似できない?
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5月25日に発売されたばかりの本書は、IT関係者を筆頭に早くも話題を呼んでいる。

——あなたは『Think Simple』において、
1:「Think Brutal(容赦なく伝える)」
2:「Think Small(少人数で取り組む)」
3:「Think Minimal(ミニマルに徹する)」
4:「Think Motion(動かし続ける)」
5:「Think Iconic(イメージを利用する)」
6:「Think Phrasal(フレーズを決める)」
7:「Think Casual(カジュアルに話し合う)」
8:「Think Human(人間を中心にする)」
9:「Think Skeptic(不可能を疑う)」
10:「Think War(戦いを挑む)」
という、10の法則を提言しています。アップルでは機能し、会社を成功へと導いているこれらの法則が、なぜ、ほかの企業では機能しないのでしょうか。

通常、大企業には複雑なプロセスが存在していて、いいアイデアが出ても、そのプロセスを踏む過程でよさが消えてしまうからです。スティーブは逆に、素晴ら しいアイデアは、最初から最後まで素晴らしいアイデアとしてワークさせることを常に求めていました。これは、アップルが偉大なスタートアップカンパニーと して始まり、いまでも自分たちがスタートアップカンパニーであることを、社員に強く意識させることにつながっています。その証拠に、アップルには委員会が ありませんし、社員が大企業的な振る舞いやアイデアを出すと、スティーブは必ず強行に反対していました。現時点で小さなスタートアップカンパニーであれ ば、その社風を守っていくことはできるでしょう。しかし、最初は小さかったかもしれない企業も、サイズが大きくなるにつれどうしても組織は大きくなり、プ ロセスは複雑になっていくんです。

——複雑化してしまった意志決定プロセスを整理したり、そういった複雑さを生み出してしまう企業文化を中から変えていくことは、やはり難しいのでしょうか。

わたしはインテルやデル、マイクロソフトとも仕事をしましたが、その経験から言うと、とても難しいと言わざるを得ません。もちろんインテルやデルにも、ス マートな人はたくさんいました。彼らは、企業の体質をシンプルに変えたいと必死で努力をしましたし、わたしたちもその手助けをしましたが、最終的には力が 及びませんでした。例えばデルにおいて、企業として今後どういった価値を示すべきなのか、数カ月にわたってプランニングをしたことがあります。新しい広 告、新しいカスタマーエクスペリエンスやインストアエクスペリエンス、あるいはどういった製品を売っていくのか、製品の種類や名前はどうしたらいいか、と いったことに対して、アップルの場合と同じ熱意をもって取り組みました。しかし、これらをマイケル・デルの前でプレゼンする機会は、遂に訪れませんでし た。いくつかの組織内の対立が、会社の進化を妨げてしまったからです。マイケル本人が、「社内抗争があったとしてもイノヴェイションをするんだ」と決意し たならば、状況は変わったかもしれませんが。本来、企業文化を変えられるのはCEOですが、CEOというのは、現状維持にとどまることが多いですからね。

——ジョブズは本当に希有な存在だったんですね。実際、プロモーションやマーケティングに関して、ジョブズはどういうスタンスのもち主だったのでしょうか?

わたしが会ったことのあるどのCEOよりも情熱がありましたね。広告を作成することの価値を、誰よりも理解していたというか。かといって、指図をするわけ でもないんですよ。作業に参加してくれ、進展があると興奮してくれました。そうやって広告のあらゆる側面に関与してくれる大企業のCEOなんて、わたしの 知る限り、スティーブのほかにはいませんね。
ジョブズ亡きあとのアップルの行方は?
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Photo: Flickr / Camillo Miller

——ジョブズの逸話をいろいろとお聞きし、現在のアップルがもつ優位性の源泉がほぼすべて彼にあることを知ると、どうしても、ジョブズ亡きあとのアップルは大丈夫なのかと思ってしまいます。

確かにいろいろなことが言われていますし、悲観的な意見もありますね。実際、かつて1985年にスティーブがアップルを去ってからの11年間は、とても暗 いものでした。イノヴェイションは止まってしまい、企業としても破産の域まで追い詰められましたから。ただ、いまの状況はそのときとは大きく違っていま す。当時のアップルは、イノヴェイターだと思われてはいましたが、毎年毎年イノヴェイティヴな価値を提示していけるレヴェルまでは至っていませんでした。 しかし復帰してからのスティーブがiMac、iPod、iPhone、iPadと、大きな革命を何度も何度も繰り返したことで、現在のアップルの社員たち には、「イノヴェイションこそが会社を繁栄させる」という考え方がしっかりと根づいています。

——アップルには、ジョブズについていろいろと学ぶことができる「アップルユニヴァーシティ」なるものがあるそうですが、これはいったい、どのような機関なのでしょうか。

実は、わたしもよく知りません(笑)。イェール大学マネジメントスクールの教壇に立っていたジョエル・ポルドニーによって運営されている、社員向けの教育 機関のようですね。スティーブの哲学を学ぶプログラムで、マネジャー以上は、参加が必須になっていると聞いています。スティーブが行ったすべてのスピーチ やプレゼンテーションの資料がアーカイヴ化されていて、アップルという組織のリーダーが、寄って立つ基礎や原則を理解するための組織だそうです。自分たち はどのような点で競合他社と違うのか、ということをここで意識づけするのでしょう。スティーブは、自分の命が長くないと悟ったときからいろいろと手を打ち ましたが、アップルユニヴァーシティも、そのひとつといえるでしょうね。

——ジョブズの哲学といえば、次に出るiPhoneは、ディスプレイが4.5インチになるという噂がありますね。ジョブズはずっと、ディ スプレイのサイズを変えたがらなかったといわれていますが、もし今回サイズが変わったとしたら、「ポスト・ジョブズ時代の始まり」として象徴的なトピック スになるかと思います。これに対して、市場はどう反応すると予測していますか? マーケットへの迎合と捉えるのか、それとも、新生アップルのスタートとみ るのでしょうか。

スティーブがすべてを見通していたかというと、実はそうでもないんですよ(笑)。意見を変えるケースは過去にもありました。例えば、iPodにムーヴィー を入れようという意見について、彼は最初、即座に却下したんです。「こんな小さなスクリーンで映画を見るヤツはいない。ダメだ!」と。しかしその1年後に は、iPodにムーヴィー機能が入っています。iPhoneのディスプレイサイズに関しても、確かに「いまのサイズが理想。大きくなったら手で操作できる という魅力がなくなってしまう」といったことがあります。それにiPadに関しても、「7インチはよくない。理想は10インチだ」といっていました。

——つまり、次世代のiPhoneはスクリーンが大きくなり、iPadのスクリーンは小さくなると噂されていますが、ジョブズは、いずれも逆のことを言っているわけですね。

その通りです。だからおっしゃる通り、アップルが次にどのような製品を出してくるのか、とても興味深いですね。個人的には、iPhoneのディスプレイが 大きくなるよりも、iPadのサイズが小さくなる方が先かな、と思っています。時の流れとともに価値というのは変わっていくもので、前はよかったけれど、 いまなら変えていかなければならないという状況は、今後たくさん出てくるでしょう。いまでさえそうなのですから、この先何年も経ったら、「スティーブなら どう考えただろうか」と推測することは、ますます難しくなっていくことでしょう。実はこの問題をシミュレートするとき、わたしはいつも、あるひとりの人物 のことを思い浮かべるんですよ。

——えーと、誰でしょうか……?

ウォルト・ディズニーです。ディズニーの死後数年間、会社はあまりうまくいきませんでした。けれど、ディズニーが考えなかったような事態に直面したとき、 会社はそれを乗り越えました。象徴的なのが、テレビネットワークの買収です。おそらくアップルも、似たようなことになると思います。価値観を固持していて も、世の中は変わります。ですからティム・クック現CEOは、スティーブが直面しなかった課題や、思いもしなかった問題に対峙したとき、単に「スティーブ だったらどう考えたか」ということではなく、企業の価値を基盤に、前進していくことが求められると思います。そしてそのトレーニングを、スティーブは生前 から綿密にしていました。
日本の広告代理店の対応に、ジョブズがキレた?
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Photo: Flickr / Scott Greiff

——ところで、具体的な数字をもっているわけではないので、あくまでも感覚値なのですが、日本は、比較的アップル好きが多い国ではないか と思います。アップルがもつさまざまなシンプルさというものが、日本人の琴線に触れやすいのかなと。そこでぜひお聞きしたいのですが、日本のマーケットに ついてジョブズはどう考えていたのか、そして、日本文化に対してジョブズはどんな認識をもっていたのか、ご存じの範囲で教えていただけないでしょうか。

スティーブと日本の具体的な事象や人物について語り合ったことはありませんが、日本の繊細なデザインや意匠は何であれ愛していましたし、それを生み出した 文化には非常に高い敬意を抱いていました。実際、日本文化に対する造詣も深かったですよ。あと日本でアップル製品の人気が高いことに関しては、くすぐった いようなうれしさを抱いていましたね。

——そんなジョブズが、日本でのプロモーションに関して特にこだわったケースというのは、あったのでしょうか?

それでいうと、iMacのローンチの際に、日本の広告代理店とちょっとやり合ったことがありましたね。わたしたちとしては、タイムズスクエアみたいに屋外 広告が乱立している場所に、余白の大きなポスターを出したいと考えていました。しかし日本の広告代理店は、「それはよくありません。日本の広告文化では、 もっといろいろな要素を追加する方が効くんです」ということで、違うプランを送ってきました。その提案にジョブズは激怒し、即座に「No!」といったこと をよく覚えています。「日本人が受け入れてくれると確信しているから、このやり方でやるんだ!」と言ってね。もちろん、最初のプランで大成功しましたし、 iMacは日本でもよく売れました。

——シンプルであることの美徳を誰よりも知っているはずの国の人たちが、何を言っているのかと、「容赦なく伝えた(Think Brutal)」わけですね(笑)。

そうですね(笑)。もしかすると、スティーブのなかでの日本文化というものが、美化されすぎていたのかもしれませんけれど。いずれにせよ、こうやってス ティーブのように、プロモーションひとつにしてもCEO自らが「自分のセンス」を信じてシンプルな決断を下していく企業が表れない限り、今後も、アップル の優位性は変わらないと思います。

——でも、世界中のCEOが『Think Simple』を読んで心を入れ替えたとしたら、それはそれで複雑ですよね(笑)?

あははは。確かにそうなってほしいようなほしくないような、複雑な気分ではありますね(笑)。
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『Think Simple アップルを生みだす熱狂的哲学』
ケン・シーガル=著 ¥1,680〈NHK出版〉
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アッ プルが、世界一のテクノロジー企業へと躍進した理由。それは、偉大なるヴィジョナリーの存在、さらには卓越したデザイン、エンジニアリング、マーケティン グ戦略という、誰もが知る要因のなかに潜む、「シンプル」という名の哲学にあった……。著者しか知り得ないエピソードを題材にしつつ、アップル的「シンプ ル」の核となる部分を10のキーワードで抽出した本書は、クリエイティヴィティを実践に結びつける術を指南してくれる、最新のビジネス理論書と言えるだろ う。
抽象化(ちゅうしょうか)とは、思考における手法のひとつで、対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は無視する方法である。抽象化において無視することについては捨象するという。従って、抽象と捨象は盾の両面といえる。
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